「クラシックが楽しくなる指数」
LB指数(ラップバランス指数)は、上がり3Fと前半に分割したレースラップのバランスを指標化したものです。
LB指数の特徴は以下の2つ。
- スローペースが多い2~3歳戦でも、タイムにとらわれない能力評価ができる。
- 伸ランク(伸びしろランク)で、将来の指数上昇度を推定できる。
成長期の2~3歳戦にチューニングした指標で「クラシックを楽しむ」ことがコンセプトです。
私がオクヤチカヒデです。一緒にクラシックを楽しみましょう!
目次
1:LB指数の設計概念
LB指数はタイムよりもペース配分のバランスに数値が影響されます。
スローペースでタイムが遅くなったとしても、そのペースに対して上がりが早ければ瞬発力が優れていると判定されて、指数が高くなることがあります。
逆にハイペースでタイムが早くなった場合でも、上がりが掛かり過ぎていればペースの影響が強いと判定されて、指数が低くなることがあります。
以下の図は、ペースと上がり3Fの関係を表しています。
図-1 ペースと上がり3Fの関係

縦軸は上がり3Fタイム、横軸は前半1000m通過タイムです。
(サンプルは東京芝1600m2勝クラスの2008~18年)
LB指数は図-1のプロットを指標化したものです。
右肩下がりの点線は「このペースなら、この上がり3Fが妥当」、逆に「この上がり3Fなら、このペースが妥当」というライン。
同じペースでも上がり3Fが早かったり遅かったりとバラつきがありますが、そのバラつきが指数に影響します。基準である点線から離れれば離れるほど指数が高くなるか低くなる仕組みです。
基準ラップは各コースの2勝クラス相当で設定しています。つまり指数が「100」なら、そのレースレベルは2勝クラス水準です。
2:伸ランクとは?
指数の右に表示される「SABCDEF」が、伸ランク(伸びしろランク)です。
LB指数本体と同じく上がり3Fと前半を分割し、該当コースの標準的なラップバランスからの乖離度を表しています。
伸ランクによって、「指数上昇力」や「馬とレースのタイプ」など、LB指数の値だけではわからない特性を把握できます。
※能力を示す指標ではありません。
2-1:馬タイプ・レースタイプ
中央の「伸C」は該当コースの標準的なラップバランスであることを意味します。「伸C」はバランス型、「伸S」に近くなるほど後傾ラップの瞬発力型、「伸F」に近くなるほど前傾ラップの持久力型に近くなっていきます。
出走馬全体的に伸Sが多いレースはスローペース、伸Fが多いレースは平均ペースまたはハイペースです。
伸Sで高い指数を出した馬は瞬発力に優れたタイプで、伸Fで高い指数を出した馬はスピード、または持久力に優れたタイプと仮定できるでしょう。
2-2:指数上昇力

青い棒グラフは伸ランクごとの平均指数です。伸Sに近づくほど指数が低くなりやすいことが特徴です。
それに対してオレンジの棒グラフは次走の平均指数です。伸Sに近づくほど上昇率が高いことが特徴です。
つまり、多少指数が足りなくても伸Sに近づくほど、好走率が高くなっていきます。
ただし指数値には時期ごとに限界点があるため、それに近づくほど上昇率は鈍くなります。
例えば2歳戦で限界点に達した馬の伸S効果は、限界点が上がる3歳戦または古馬混合戦に出走するようにならないと有意になりません。
参考:伸ランクの時期別構成比

平均指数の低い2歳戦は伸SAの構成比が高いですが、3歳戦に入ると平均指数の上昇に伴い、伸SAの構成比が低くなっていきます。